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SMA ART OLYMPIC ​AWARD

SMA ART OLYMPIC

2020

受賞作品発表

【審査方法】

「SMA家族の会 審査会」(2020年11月3日@ZOOM開催)にて厳正なる審査の上、受賞作品を決定しました。

各部門、13名の審査員が15点ずつを持ち点とし、1位(10点)と2位(5点)を選出しました。

そこに、会員投票(10月20日-11月1日)の結果、1位に10点、2位に5点、3位に3点を加点、

さらに、一般投票(10月20日-26日)の結果、1位に10点、2位に5点、3位に3点を加点しました。

上記採点方法で、上位3作品を「金賞・銀賞・銅賞」、10点以上の作品を「SMA賞」、5点以上の作品を「佳作」としました。

同点の場合はどちらも受賞作品としました。「特別賞」は特別審査員により選出されました。

未来

SMAマスコット

受賞

16 作品

自由作品

​受賞

18 作品

総評

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代表審査員・辻 政博 Masahiro Tsuji

帝京大学教育学部教授、元東京都図画工作研究会会長。東京都公立小学校図画工作科専科教員として、30年間勤務。その他、学習院大学、聖徳大学の非常勤講師。NHKEテレ「キミなら何つくる?」の番組委員を務めたり、美術館や全国各地でワークショップを行ったり、カンボジア王国の教員養成に協力したりするなど活動の幅を広げている。著書は図画工作科教科書など多数。

幼児から大人の方まで、実に様々なかたちの表現が集まりました。どれもがかけがえのない素晴らしい表現・活動でした。アートは、今そこに生きて、何かを感じている、まさにそのことを自由に表現できる分野です。絵もよし、音楽もよし、言葉もよし、映像もよし、活動の様子もよし、また、実情に応じて最新の機器を活用することもできるでしょう。

【未来・SMAマスコット】部門では、身近な素材(コーヒフィルター)を活用した<仲川琴美さん>の「supporter」、視線ペイントで描いた<萩原やよいさん>の「未来のアーティスト」、音楽制作ソフトを用いた<ふーさん>の音楽映像「みらい」、<小澄健一さん>の未完成を意図した詩「未来」など、たいへん興味深く拝見しました。

【自由作品部門】では、音のもつ面白さを遊ぶ<はるさん>の「いいおとだな」、糸電話でコミュニケーションを取る<アイス大好きさん>の「つながる―つながる」、枕草子を援用して創作した<大泉咲穂さん>の「枕草子」、夏休みの思い出(カブトムシ五郎も出演)を表した<そうにゃんさん>の「夏の思い出」など、興味深く拝見しました。(この小さな紙面では、一人一人の作品の面白さ、よさが書ききれません。すみません)

そして、これらの活動は、一人だけの表現ではなく、様々な人のつながりの中で、営まれています。関係者の皆様の熱意とご尽力で、こうした表現・活動の場が、保障されていることを改めて強く感じました。

現代社会は、「分断社会」と言われるような様相を垣間見せていますが、この「SMAアートオリンピック」の活動は、人と人、人と自然、人と社会を「つなぐ」活動です。その意味で、今、私たちにとって最も大切なものを提案していると思います。表現の楽しさを十分味わい、分かち合いながら、広がっていくことを願います。

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特別審査員・内多 勝康 Katsuyasu Uchida

1963年東京生まれ。東京大学教育学部卒業後、NHKに入局。30年間アナウンサーとして「首都圏ネットワーク」「NHKスペシャル」「クローズアップ現代」等のキャスターを務め、阪神淡路大震災や東日本大震災の緊急報道にも携わる。2016年にNHKを退職し、国立成育医療研究センターに新設された、医療的ケアが必要な子どもと家族のための短期入所施設「もみじの家」のハウスマネージャーに就任。社会福祉士の資格を持つ。

こんなに難しい審査だとわかっていたら、きっと審査員を断っていました。特別賞を2つしか選べないなんて、なんという試練!私は悶絶しながら69の作品に向き合いました。作者の表現に対する情熱はもちろんのこと、家族や仲間たちとのハーモニーによって生み出された作品の数々を前にして、悶絶度が2乗にも3乗にも巨大化しました。自分の肉体を最大限駆使する人、文章を操る人、ハイテクを使いこなす人、それぞれが特別賞です。

※審査員は五十音順です。

※審査員は五十音順です。

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今井 啓二   Keiji Imai

難病や障害のある方たちのコミュニケーション支援の活動をしているNPO法人ICT救助隊の理事長です。様々なIT機器やその操作法や入力装置の紹介や相談、講座開催などが主な活動です。

おそらくほとんどの審査員の方が感じたと思いますが、ここに並んだ作品に順位をつけるのは無理だ、と。

どの作品にもその作品の魅力があり、作者の思いがダイレクトに伝わってきます。

順位なんかつけられずに、いつまでも眺めていました。

ありがとうございます。素敵な時間でした。

※審査員は五十音順です。

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荻須 洋子   Yoko Ogisu

病気の子どもの遊びボランティアを2000年5月から開始、現在に至る。

成育医療研究センターおもちゃライブラリー代表  認定NPO法人難病のこども支援全国ネットワーク理事  おもちゃコンサルタント

難病ネットでは、特に病気のこどもと遊ぶボランティアの育成に関わっている。

どの作品も魅力的でした。審査ということで2点ずつ選びましたが、皆さんに賞を差し上げたいくらいです。また、作品の年齢を見ると幼いお子さんも出来るところで頑張っている様子がうかがえました。

大人の方も個性豊かで、技術的にもプロのような出来栄えの方も多かったです。

また、動画など今ならではの作品作りで、見ていてとても楽しかったです。

コロナ禍で色々なことができなくなり、人と会うこともままならない日常になりましたが、心は自由でありたいですね。この作品を拝見していて、ご本人もご家族もまたその周りの方々も生活を楽しんで日々過ごされていることを感じました。

※審査員は五十音順です。

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神成 麻衣   Mai Kannari

“障がい者がアートで夢を叶える世界を作る”を理念に、活動をしているパラリンアート運営事務局の神成と申します。

普段はコンテスト・展示会・登録されている障がい者アーティストの担当として日々取り組んでおります。

全ての作品に想いとパワーがこもっており、審査していてとても面白かったです。

できること・できないこと・できるようになりたい・できるようになったら…と、それぞれ抱える気持ちや希望が作品から読み取ることができました。

どの作品も優劣がつけ難く大変悩みました。

今回審査をさせていただき、どのアーティストさんも支えてくれている家族や周りの人への感謝だったり、また誰かと二人三脚で取り組む姿にとても感銘しました。

※審査員は五十音順です。

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くぼりえ   Rie Kubo

大阪府枚方市在住。イラストレーター、絵本作家。 絵本「およぎたい ゆきだるま」「バースデーケーキができたよ!」(作・絵/くぼりえ)出版。 SMA(脊髄性筋萎縮症2型)。夜間のみ人工呼吸器を使用。24時間全介護が必要で、車椅子を使って生活してます。最近は、筋力低下が進み、作画スタイルをアナログからデジタルの世界に移行。iPad ProやApple Pencil、スイッチコントロール等を使って絵を描いています。   くぼりえホームページ kuborie.com オンラインショップ https://kuborie.official.ec

みなさんの創造性溢れる作品を拝見し、率直に全て素晴らしいと思いました。愛と工夫がぎっしりと詰まったそれぞれのストーリーは、感動的なものでした。SMAは、筋力低下により不自由なことが多いですが、それは物理的な事ですから、サポートがあれば解決できます。いろんなことができる。特にアートの世界は、たとえ、体が動かなくとも、自分にしかできない表現で無限に可能性を広げることができます。それを、この展覧会で改めて証明してくださったように思いました。

※審査員は五十音順です。

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小嶋 修一   Shuichi Kojima

TBS報道局特別解説委員。35年前デュシェンヌ型筋ジストロフィーの患者取材を契機に、難病の社会的啓発の必要性を痛感し医療専門記者に。1987年、がん闘病者7人がヨーロッパ最高峰モンブランに挑戦するドキュメンタリーを制作。世界の闘病団体に大きな影響を与えた。2010年には日本初の精巣腫瘍の患者会を設立する等、患者に寄り添った活動を展開。自身も、精巣腫瘍を二度経験したがんサバイバー。

今回ほど、選ばなければならない“苦しさ”を感じたことはありません。どの作品からも、作者やそのご家族の顔が浮かんできました。作者のハンディキャップを感じさせない力強さに心打たれ、涙しました。諦めないこと、生き抜くこと、そして、何よりも“寄り道してもいいんだ”ということも教えてもらいました。今後ですが、「MORE INFORMATION」を拡充する形!!で、毎年開催する方向を検討されることを期待します。

※審査員は五十音順です。

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齋藤 加代子   Kayoko Saito

東京女子医科大学遺伝子医療センターゲノム診療科にてSMAの診療をしています。
SMA家族の会の発足当時は、何と「副会長」でした。今は医療アドバイザーを担当しています。
医学・医療の発展が、皆様に元気を運んでくれていることをうれしく思っています。

どの作品も、それぞれの方、ご家族の思いがこもっていて、選ぶのに苦労致しました。

SMAの家族の会は芸術家が多いですねえ。

※審査員は五十音順です。

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佐々木 千穂   Chiho Sasaki

福岡県出身、熊本保健科学大学 ちいき楽暮准教授(言語聴覚士)。SMA家族の会のアドバイザーを務めさせていただいています。保有資格は潜水士、防災士、学芸員資格など、です。現代アートが大好きで、教育研究活動でもアートに関する取り組みを地域の方々と楽しんでいます。Com Lab Japanという団体のFacebookページでSMAのお子さん達の支援に関する情報も発信しています。

このような先端的で素敵な企画にお声かけいただきまして、大変光栄に思っております。正直、審査では素敵な作品ばかりで、迷いました。審査は苦労しましたが、オリンピックは堪能させていただきました。自分の心と向き合ったり、様々なインスピレーションをいただいたり、と。エントリーされた皆様とそのご家族、本企画をご準備くださいました事務局の皆様に心より感謝申し上げます。ありがとうございました。

※審査員は五十音順です。

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篠原 久治   Hisaharu Shinohara

ノバルティスグループの1つ「Novartis Gene Therapies」(旧アベクシス社)の日本における事業「ジーンセラピー事業部」の部長を務める。Eli Lilly、Genzymeの前職での経験も含め希少難病疾患に長くかかわる。SMAとその遺伝子治療を知りこの疾患に貢献したいと2018年Novartisへ転職。
日々、本当に貢献できているのか、悩みながら過ごしておりますが、今回のアートオリンピックの作品を通じて、ますます頑張っていこうと元気をたくさんいただきました!!

どれも力作で、その中から選定という酷な作業に頭を悩ませました。プロさながらの作品から、ユーモアとアイデアに富んだ作品、制作者の思いが伝わる作品と、皆さんのタレントぶりに驚きました。

楽しく鑑賞させていただくとともに、希望と勇気と笑顔を分けていただきました。アートの力は大きいですね。運営のお立場は大変だと思いますが、このアートオリンピックが続いていき、より多くの作品を楽しむ機会ができると嬉しいです。

※審査員は五十音順です。

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高橋 陽子   Yoko Takahashi

公益社団法人日本フィランソロピー協会に勤務しています。企業の社会貢献の推進や、従業員等のボランティアや寄付のマッチングをしております。SMA様とのご縁は、田辺三菱製薬㈱のてのひらパートナープログラムの事務局と審査委員をさせていただいている関係で、お出会いさせていただきました。いつも、患者やご家族の皆様の熱い思いに、こちらが力をいただいています。

素晴らしい企画です。どの作品も、生への強い意志と感謝、そしてユーモアや客観性がにじみ出ていて

見るものに深い感動と共に、いい意味で、心をざわつかせてくれます。

よく言われるダイバーシティ&インクルージョンなどと言う言葉が陳腐に聞こえるほどに、表現者は、ただ人間なのだ、苦悩とともに、希望と英知を持つ存在なのだ、それ故に、いとおしく尊敬し合えるということがストレートに響きました。贅沢な機会をいただき、ありがとうございました。

※審査員は五十音順です。

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田中 栄一   Eiichi Tanaka

北海道の病院で、作業療法士というリハビリの仕事をしています。ここでは、病気で手が動かないから、友達と一緒に学校で学んだり、遊んだりすることを「しょうがいない」と諦めてしまわないように、「できる」を一緒に探していく手伝いをしています。アートオリンピックでは、みなさんのたくさんの「できる」を拝見させてもらいました。ぜひみなさんとお会いしたいです!

甲乙つけがたい。全部メダルでいいんじゃない?と何度も思いました。

アダルトメンバーの作品は、全般にシュールで斜め上目線がいいですねー。深堀りすると、幾重にも重なる意味が込められている感じがします。10代前半のみんなは、周りに愛されていることがつたわってくる作品ばかり。しっかりと、皆さんが、そこにいることが感じられました。

今回の応募された方々の制作風景が拝見できたのがよかったです。 私はこうした工夫をしているよ!を、これから続く人にもつなげてあげてほしいと思います。この度は楽しい時間をありがとうございました。

※審査員は五十音順です。

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福島 勇   Isamu Fukushima

特別支援学校(肢体不自由)の教員です。全校の児童生徒に関わる立場にあり、ICT機器やAssistive Technology(=支援技術)を活用することによって肢体不自由児の生活上または学習上の困難さを軽減・解消するためのサポートを担当しています。その活用方法についてYouTubeやブログで情報を発信しながら、全国各地に出向いて講習会をしたり相談にのったりしています。

SMAによる筋力低下の状態は一人ひとり違いますが、それを補うための工夫がたくさんあることに気づかされました。特に、ICT機器や支援技術(=Assistive Technology)を活用することは、それまで諦めざるを得なかったアートやミュージックといった世界を体験できることに繋がります。今後登場するであろう新しい支援技術(AT)が、皆さんの作品をもっと素晴らしいものにするであろうと思っています。

※審査員は五十音順です。

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松平 千佳   Chika Matsudaira

静岡県立大学短期大学部准教授 
NPO法人日本ホスピタル・プレイ協会~すべての子どもと遊びと支援を考える会~理事長
SMA(脊髄性筋委縮症)家族の会アドバイザー
2011年1月、英国Hospital Play Staff Education Trustより、HPSに認定。
ホスピタル・プレイの方法論及びHPS養成に関する研究、プレイ・セラピーに関する研究、
ソーシャルワークに関する研究、家族の福祉に関する研究を行うとともに、援助実践を行う。

すてきな作品を多く見させていただき感謝しています。 コロナの影響で人と人がつながることが難しくなったように思えるこの頃ですが、 みなさんの作品を見ていると、アートが人と人をつなぐ力強い媒体なんだなあ、 と思いました。 アートの原型は「遊び」です。たくさん遊んで想像力と創造力を高めると、無限の可能性が広がっていきます。 これからもたくさんのワクワクを作ってください。

※審査員は五十音順です。

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SMA家族の会   [Japan Network for SMA]

東京女子医科大学付属病院に通院する本人・家族たちと医療関係者たちが中心となり、1999年に発足。日本全国のSMA当事者、家族、医療関係者、研究者、ボランティアが協力し、相互の知識及び経験を交流する場を作り、SMAに固有の問題を解決すること、治療研究を促進すること、情報共有と疾患啓発を目的に活動を続けています。

2020年は本当に大変な年でした。世界中がコロナで混乱をきたし、ウィルスにすべてを奪われそうな恐怖心を味わいました。東京オリンピックも中止になり、生活の中で我慢することが多くなりました。でもSMAのみなさんは、もともと感染予防&リモートだったはず。こんな時こそ楽しもう!と企画したのが【SMA ART OLYMPIC 2020】です。

たくさんの素晴らしい作品が集まりました。どの作品もクオリティが高く、個性的で、ストーリーと愛情が込められていました。患者さんとご家族が、日々創意工夫しながら、生活を楽しんでいることが伝わってきました。

受賞作は審査員の皆さんが苦しみながら選出して下さいましたが、目的は賞を決めることではありません。表現を楽しみ、たくさんの人に見てもらう喜びを感じること、重い障がいがあってもこれほど豊かに表現できることを社会に知ってもらうことが目的です。SMAの皆さんには、治療やリハビリのことばかりでなく、「今」を楽しみ、表現する意欲をもって、人生を豊かにすることを忘れないでほしいと願っています。

SMA ART OLYMPIC

2020

【協力】

毎日新聞社会事業団

​認定NPO法人 難病のこども支援全国ネットワーク

いのちの輝き毎日奨励賞

【後援】

​一般社団法人 障がい者自立推進機構

パラリンアート事務局

特定NPO法人

ICT救助隊

特定NPO法人

ホスピタル・プレイ協会

鹿児島

SMAの会

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